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徳永葵 個展 
「記憶への代入」
 
会期:2022/4/16(土)〜5/1(日)
開廊時間:木・金 15:00〜19:00 土・日 12:00〜19:00
定休:月・火・水
​会場:myheirloom(アーツ千代田3331内)

※祝日は定休曜日に準じます。月火水の祝日は閉廊とさせて頂きます。

 myheirloomではこの度、徳永葵の初個展【記憶への代入】を開催いたします。本展では「漫画表現の絵画化」をテーマとして、コミック紙からそのまま抜け出したような単純化されたキャラクターとリアルな日常とが交錯する不思議な世界観を構成しております。

 

 元々徳永は『漫画』の制作を表現活動の中心に据えており、油絵と漫画の制作とが完全に別々なものとして存在していたといいます。しかし、卒業制作を意識し始めた昨年初頭、その⼆つの要素を融合させた表現を生み出すことを構想し「漫画表現の絵画化」をテーマに制作をすることを決めます。

 

 始めに⾃⾝の幼少期の記憶をきっかけとした空想の世界を描いた漫画「⽩昼夢」の制作を⾏いました。「白昼夢」はセリフや効果⾳を全く⼊れないことで、ストーリーの展開ではなく漫画の『絵』の部分に焦点を当てて制作されています。その際、つけペンで描かれた『線』そのものが漫画の魅⼒となっているのではと気付いたことから『漫画線』に焦点を当てた新作「In my own world」を制作。漫画のつけペンの質感を残したまま⼤きな画⾯に描くため、模造紙を貼り合わせ⼤きくしたものを支持体とし、様々な太さのポスカペンとつけペンを組み合わせ、漫画線を効果的に活かした絵画となりました。

 2021年には本展シリーズの手法『紙キャラクターの絵画空間への代入』を初めて用いた「集積のなか」という作品をTwitter上で発表し、非常に大きな反響を得ることとなります。その後発表した同シリーズの作品「学習机」の投稿は2.3万いいねを獲得し、本手法への確かな手応えを感じた徳永は、今年の京都市立芸術大学の卒業制作でも同シリーズとして制作した大作「見ようとしなければ見えない」にて市長賞を受賞しました。

 

 作品内に登場する強く二次元性を強調されたキャラクターは、徳永自身の幼少期の記憶を元に描かれた現実世界(記憶の中の物語)に介入する異物のように描かれています。『記憶』という、現実そのものではあるものの、そこには意図しない脚色や欠落により生じたある種の不安定さを残した世界が広がり、徳永はその不確かで朧げな記憶の世界の中に、創作物の象徴である『キャラクター』を自身の代わりに代入することで、記憶の中にある物語を0から創作しようと試みているのです。

 

 特徴的なのは『キャラクター』の概念をさらにもう一段階メタ的に捉え、ある種の『漫画的な表現』という部分だけに留まらない、創作物のアイコンとしての意味合いを持たせることに成功している点です。

紙からそのまま抜け出したかような物質感をペラペラな形状で表現することで、二次元である事が否応無しに強調され、同じ平面表現である「絵画」の中に同時に存在することによる階層のズレが違和感を巧みに引き起こします。キャラクターを用いた絵画へのアプローチは数あれど、それらとは全く異なる二次元の捉え方が漫画的な要素も含め、斬新かつ極めて現代的なものに思えてなりません。

 

 徳永は現在同大学の修士課程に在籍し、今後も精力的に制作活動を続けていく予定です。幣廊でも引き続き活動をサポートして参りますのでぜひご注目ください。漫画という現代日本を象徴する表現を巧みに用いて、同じ平面表現である絵画へと接続させた独創的な作品をお楽しみ頂ければ幸いです。

徳永葵 

1999年⽣まれ 

 

学歴

2022年 京都市立芸術大学 美術研究科修士課程美術専攻油画 在学中

2022年 京都市立芸術大学 美術学部美術科油画専攻 卒業

 

主な展示

2022年 グループ展「Hello 2022 新人歓迎」 SUNABA GALLERY(大阪府大阪市) 

          グループ展「下京渉成小学校作品展」 下京渉成小学校(京都府京都市)

2021年 二人展「ノクチルカ」 京都市立芸術大学小ギャラリー(京都府京都市) 

             グループ展「Young Artists’Show2021」 Gallery A8T(宮城県仙台市)

 

主な受賞暦

2021年 京都市立芸術大学 作品展 市長賞