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吉田紳平 個展

unreadable letter - 読めない手紙
 
会期:2022/12/3(土)〜12/18(日)
開廊時間:木・金 15:00〜19:00 土・日 12:00〜19:00
休廊:月・火・水
会場:myheirloom(アーツ千代田3331内)

myheirloom(マイエアルーム)ではこの度、国内外で精力的に作品を発表する気鋭のアーティスト、吉田紳平による都内では初となる個展「unreadable letter - 読めない手紙」を開催いたします。

2020年初頭、ドイツでのレジデンスから帰国する飛行機の中でふと思い立ち、色鉛筆で描き始めた知らない誰 かの肖像。描かれた対象の輪郭はぼやけ、それは誰でもなく、そしてよく知る誰かでもあるようです。 知らない誰かが撮影した不特定の誰かの写真には、被写体と撮影者だけが知る眼差し、思いが内包されているはずです。吉田は、そんな知らない誰かと誰かの間の感情、愛おしさや紡がれる歴史と、自らが日々日常の中に感じる想いとを溶け合わせていくように「誰でもない愛おしい誰か」を描きます。

会場内には、コンセプトを模したインスタレーションを配置し、亡くなった祖父からの最後の手紙を見て感じた吉田の思いを反映します。作家の言葉にもあるように、日常のなかに散らばる目を凝らさないと見逃してしまいそうな細やかな感情。人と人との繋がり、その眼差しを、吉田なりに掬い上げた展覧会です。本展をきっかけに、何かを思い出したり、振り返っていただくきっかけになれば幸いです。

単にうつくしいことを知らせたいのではなく、
見過ごしてしまいそうな景色や、曖昧でわかりづらいことの危うさを心に留めていたいのかもしれません。

 

例えば、大切な人から受け取った手紙の小さなインクの滲みのなかに、

アスファルトの上を輝きながら転がっていく枯葉の音の寂しさのなかに、

今にも壊れてしまいそうなかそけさで、誰かや私にとっての問いや言葉が現れては消えている。

そう思えてならないのです。


今回は、これまでのポートレイトのシリーズに加え、

この夏に亡くなった祖父から私宛に送られてきた最後の手紙をきっかけに作り始めたインスタレーションを軸に展開しています。

 

私自身だけでなく、そこに訪れるひとりひとりにとっての静かな問いかけの場になってくれることを願います。

​吉田紳平

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